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慣性モーメント をCADで算出する場合の注意点|CAEトピックス

慣性モーメントはCADによって出力する仕様が異なります。試したのはPro/EとUGですが、両者で仕様が異なっていました。FEMで集中質量をモデル化する場合(例えばNASTRANのCONM2等)、CADで算出した慣性モーメント入力すると思いますが、この時にこの点をちゃんと認識していないと間違った計算をしてしまうことになります。

慣性乗積(Ixy、Iyz、Izx)の符号に注意!

Pro/Eでは慣性テンソルをそのまま出力する仕様になっています。しかし、UGではその乗積値の正負が逆転して出力されます。これは慣性乗積の定義が文献によると-(マイナス)付で定義されているためと考えられます。慣性テンソルとしてはIxx、Iyy、Izz、Ixy、Iyz、Izxですが、慣性乗積と言った場合-Ixy、-Iyz、-Izxと定義されるのです。これは慣性テンソルを算出する過程の積分式に-(マイナス)がついているためです。

で、今度は解析ツール側ですが、例えばNASTRANのCONM2では要求する慣性のデータとして乗積値が正負反転した値を要求するのです。したがって、UGで算出した値をそのまま利用するには問題ありませんが、Proe/Eで算出した慣性データを用いる場合、その乗積値を正負反転させなければなりません。
一方MECHANICAというツールは慣性テンソルそのままを入力する仕様になっています。この辺がややこしく、いろんなツールを使う場合、非常に間違い易くなります。

この辺、ちゃんと理解して解析を実施しましょう。

 
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